私の好きな車にBMWのM3とE90系の335iがあります。M3は市販NAの中でトータルバランスが取れた最高のNAだとと思いますしそれとBMWにはもう一車種名車があります。それが335iだと思います。ダウンサイズでヨーロッパ車はターボが増えましたが大排気量でなくミドルターボとしては最高ではないでしょうか?F系のターボはセキュリティーの問題でDMEが変更出来なくなっていますがE系は自由にDMEデータが変更出来ます。BMWのシルキー6とターボの組み合わせは最高だと思います。今日はBMWE系の335iデータを考えてみたいと思います。
先日施工した335iの車輌情報です。この車輌はツインターボ仕様のDMEがMSD80のなります。読み出し・書き込みともOBDⅡになります。
先日施工した335iの車輌情報です。この車輌はツインターボ仕様のDMEがMSD80のなります。読み出し・書き込みともOBDⅡになります。
スピードリミッターは2ブロックに分かれていて値は250Kmになります。1バイト構成でFF(255)にしか出来ないわけですがデータをFFにすると255Kmでリミッターが効くのではなく解除になります。昔のニッサンなどもスピードリミッターについての考え方は同じでした。故にデータはすべてFFに変更です。
ブースト制御の変更です。ブーストMAPを変更する前にブーストリミッターの変更がいるわけですがデータを見てもらうと解るように元々のカットポイントが高く変更しなくても問題ありません。
次にブーストの制御MAPの変更です。ブースト制御MAPは6面あります。併せて水温補正MAPMAPもあり変更は大変な作業です。数値には当然のことながら係数が掛かっており係数値が理解出来ていないと机上での変更は出来ません。イメージとしてはブーストの立ち上がりを早くし(直噴ですから排圧が高いので可能です。)高回転前までは一定値をキープし高回転域ではブーストを落としています。M3とはコンセプトが異なるわけですから高回転での出力ダウンの方向にデータ作りをされているのは仕方ないですが絶対値を含めこのデータでは「楽しい335i」とは言えません。全体的に値を引き上げ高回転まで作り上げたデータが維持出来るように大きく変更です。水温補正にも影響されないように補正MAPも平行して変更します。これでM3をも凌ぐ335iに変貌です。優秀なデータで作り上げた335iはM3以上のパフォーマンスが得られます。
次は点火時期の変更です。いつも点火時期は変更しませんと言っていますが輸入車はそうはいきません。NA車はほぼ変更しませんが335iの場合はあまりにも進角量が低くこの状態では排気温度が異常上昇してしまいます。これはマツダのL3-VDTなどにも言えることで少し進角量を増やしてやると50度くらい排気温度は下がります。335iに戻して踏み始めの点火も低いですから排圧を高める事も含めて全体的に点火時期は大幅に変更します。ただ直噴の高圧縮ターボですからむやみやたらに進角するとリスクが大きく伴うので注意です。
次にDBWの変更と要求トルクモードの変更です。M3とは全くMAP構成が違いますがやはりM3に比べファミリー的な味付けがされたDBWデータです。要求トルクとの整合性を取りながら大きく変更を行います。これでM3にも引けを取らない高レスポンス335iの完成です。スタート時からおしりブリブリの335iを想像して下さい!楽しい335iだと思いませんか?
トータルバランスではM3に引けを取りますがパワーポテンシャルでは優秀なDMEデータをインストールしてあげればM3以上のパフォーマンスが手に入れられます。買い換えをお考えのユーザーは335iをチョイスする魅力はあります。