R32・33・34GTRの進化で特筆するのはアテーサですが、今でもR32GTRのアテーサユニットを製作しているのは当社だけだと思います。このアテーサユニットの恩恵は0-400やサーキット・ワインディングで発揮し34GTR以上の効果が得られます。装着による恩恵は0-400のステージでは140Km以上では過大なトルクが掛かっても2WDを保持するため駆動ロスが無くなり装着前後で圧上げ仕様でも1秒は短縮出来ますし、サーキット・ワインディングでは横Gが掛かった瞬間にR32GTRのフロント駆動遅れが無くなり大きくタイムアップにつながります。そんなことでR32GTRのアテーサキットの製作工程とデータを公開します。
写真1
オリジナルアテーサユニットをばらした状態です。メイン側にアテーサを制御するマイコンが搭載されサブ基板にABS制御マイコンが搭載されています。アテーサを自由にコントロールするにはABSの動作停止が必要になります。故にマイコンはアテーサユニットとABS制御マイコンの2個を交換します。
写真1
オリジナルアテーサユニットをばらした状態です。メイン側にアテーサを制御するマイコンが搭載されサブ基板にABS制御マイコンが搭載されています。アテーサを自由にコントロールするにはABSの動作停止が必要になります。故にマイコンはアテーサユニットとABS制御マイコンの2個を交換します。
写真2
これはABS用のパワートランジスタです。ABS制御が無くなるためこのパワトラは必要なくなります。当時のN-1車輌のアテーサユニットにもこのパワトラはありませんでした。
写真3
フレームから基板を外した状態です。写真2にあったパワトラは外しています。
写真4
アテーサチップを外している課程です。左側半分がハンダを吸い取った状態です。
写真5
右側がオリジナルのアテーサデータが入ったチップで、左側が当社がセッティングしたデータがインストールされたチップです。このチップは今は製造されていなく日本国内にはありません。流通上では今回シンガポールにありました。チップの問題なのかアダプターの問題なのかわかりませんが書き込み時に安定性が無く書き込み途中に良く死にます。トホホです。
写真6
ハンダ後の状態です。中々綺麗なハンダでしょ!?
写真7
次にABSを制御しているチップの交換です。このチップも生産完了品で国内ではもう入手出来ません。後数個ありますが無くなると入手出来るかどうかは不明です。
写真8
ハンダ後の基板状態です。
写真9
チップを換装し作業完了!
写真10
ABSを制御しないためパワトラは必要ありません。
写真11
アテーサのデータです。ABSとの連携がないためオリジナルプログラムと比較して絶対データ量は少ないです。
写真12
データ変更点です。データシートに基づき変更します。企業秘密なので変更アドレスは公開出来ません。このアドレスでは変更量によりフロントトルクへの配分が設定出来ます。R32GTR全盛期の頃岡山国際サーキットや筑波でベストタイプを出せたのはこのアテーサキットがあったからに間違いありません。
疑似信号化によるアテーサコントロールもナシとは言いませんが駆動ロス解除やABS介入によるアテーサの不制御はぬぐえません。エンジンマネジメント同様アテーサもアテーサユニットできちんとコントロールするべきだと思います。当社アテーサユニットと疑似信号コントローラーとの組み合わせによる相乗効果もあるかも知れません。但し、自己責任でお願いします。アテーサユニット装着によるフロントデフオイルやアテーサオイルのメンテナンスもしっかり行って下さい。
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